刺繍を始めた初心者なんだけど、図案の転写方法ってどういうものがあるの?
結局、どの方法がおすすめなの?!色々あってわからん!どうやって選んだらいいの?
ごわごわしている生地や、暗い色の布だと、転写できなくて困ってる…どうしたらいい?
この記事では、そんな転写方法の悩みに答えるよ!
この記事はこんな人に読んでほしい
- そもそもどういう転写方法があるのか知りたい人
この記事を読むとわかること
- 刺繍の転写方法は、どのようなものがあるか網羅的にわかる
- 自分にあった(つくりたいものに合う)転写方法がわかる
- 転写しにくい生地に刺繍したいときの解決策がわかる
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- 初心者向けに刺繍の始め方を紹介
- アクセサリーへの仕立て方・裏処理
- 図案の配布、キット販売などの情報
転写方法7選を、実際に使ってみた感想とともに細かく解説する
この記事では、以下の転写方法について詳しく解説していきます!
- チャコペーパー
- ムーンベール
- 型をつくる
- 熱転写ペン
- トレース台
- 転写シート(シールあり)
- 転写シート(シール無し)
結構たくさんあるね。結局どれがおすすめ?
せっかちだね…
結論、これ!っていうのは無いと思ってる。作りたいものや、使う生地によって、相性があるよ。↓で比較表とおすすめもまとめてみたよ!
比較表でまとめてみたよ
用意しやすさ | 暗め・模様有の布 | 刺し心地 | 価格 | |
---|---|---|---|---|
①チャコペーパー | 400-500円程度 | |||
②ムーンベール | セットで700円 | |||
③型をつくる | 0円(家にあるもので) | |||
④熱転写ペン | 350円程度 | |||
⑤トレース台 | ピンキリだが3000円程度 | |||
⑥転写シート(シールあり) | セリア100円 | |||
⑦転写シート(シール無し) | 750円程度 |
あえておすすめを決めるなら…
- ⑥転写シート(シールあり)で紹介しているセリアの「水で溶ける刺しゅう用下絵シート」は手に入りやすく、転写もしやすいので初心者さんおすすめ。
- ①チャコペーパーは、メーカーによって転写しやすい・しにくいがある。慣れてくれば、普通に写せるのでおすすめ。
- ⑦転写シート(シールなし)で紹介している「キルターズシークレット」は、刺しやすい・溶けやすいので個人的にお気に入り。
なるほど。とりあえず、一つ一つ見てみるか…
主観100%だけど、実際に私が使ってみた感想とともに紹介するよ!
刺繍の転写方法①【定番】チャコペーパー
使い方
定番の転写方法ではないでしょうか。刺繍の転写といったらこれを思い浮かべます。
チャコペーパーは裏面にインクがついており、それを布にあてて、上から力を加えることで転写されます。通常のペンでもいけますが、専用のトレーサーがあると便利です。インクが出なくなったボールペンで代用もできます。
使ってみた感想・コツ
白いチャコペーパーなら暗めの布にも図案を写せる
チャコペーパーによっては白いものがあるので、暗めの布にも転写できることが大きいです。このあと紹介する熱転写ペンや、トレース台などは、白い・明るい布にはさくさく写せるものの、暗めの布になると厳しい場合が多いです。真っ黒な布ではお手上げです…。
シンプルに白い布だけしか使わない人であれば、他のお手軽な方法でいいと思うのですが、黒い布を使いたいとなった瞬間、結構ハードルが上がる(選択肢が狭まる)んですよね…
メーカーによっては全然写らないものもある?!
チャコペーパーは各社から出ていますが、私が愛用しているのは「スーパーチャコペーパー 」。いくつか他のものを使ってみましたが、かなり力を入れてもうっすらとしか写らないものもありました。
グレー・ホワイト・ブルーがあるよ。基本、グレーを使っているよ!ほどよく優しい色なので、インクが悪目立ちすることも少ないです。
セロファンは必要?無くてもいいの?
紙の上から転写する際、結構力を入れて書くので、紙が破れてしまうことがあります。セロファンを上から被せることで、紙が破れるのを防ぐことができます。セロファンは専用のものではなくてOKです。包装されている切れ端などで十分です。ただし、セロファンを挟むと、つるつる滑るので、私はいつもセロファンなしで、直接転写しています。紙は破れたりしますが、気にしない…!
刺繍の転写方法②【最近流行ってる?】ムーンベール
使い方
最近(といってもここ2年くらい?)、よく聞くようになりました。割と新しい手法なのではないでしょうか。トレースペーパーが不要、ということを売りにしています。
専用のシートとマーカーがセットになっています。専用のシートは不織布のようになっており、ざらざらしています。シートを写したい図案の上に被せて、上から専用のマーカーで一度なぞります。写し取ったら、布の上からもう一度専用のペンでなぞります。書いた線は水で落とせます。
使ってみた感想・コツ
写すのは楽ちん!ただしちょっと滲むのが気になるかも…
実際に私も使ってみたことがあるのですが、写すのは楽ちんです。特に、専用のシートの質感がざらざらしているので、力を入れることもなく、普通のペンでなぞる感覚でいけます。ただし、2回なぞる必要があるのが少し面倒に感じました。また、ペンが割と滲むタイプなので、単純な線であれば問題ないのですが、繊細な図案だと潰れてしまう場合がありそうです。
インスタで紹介した際、コメントで教えてもらったのですが、専用のペンの代わりにフリクションでもいけるそうです!今度試してみます…!
楽天とyahooショッピングでは青・紫のペンとセットになったものがあったのでそれをはっておきます。Amazonでは青ペンとセットになったものがあったのでそれを。もちろん、シート単体でも売ってます!
刺繍の転写方法③【アクセサリーで活躍】型をつくる
使い方
純粋な(?)転写方法ではないのですが、アクセサリーの場合は型を作る方法もアリです。最初に元となる図案を用意して、それをハサミで切り取り、型紙として使う方法です。専用のペーパーやペンなどは不要で、家にある紙とハサミがあれば作れるので、お手軽です。一つ型紙を作れば、あとはそれを量産できます。
「線」がメインの刺繍図案には使えませんが、ブローチやピアスなどのアクセサリーを作る場合、選択肢の一つとして覚えておくといいと思います。ここでは、自分で描いた図案を使っていますが、■や●などの単純な形であれば専用の定規を使ってしまうのもアリです。(自分が欲しいサイズ・形が見つかればですが)
なお、ここでは普通のコピー用紙を使いましたが、本当に量産する場合は、厚紙を使ったり、プラスチックを使ったりすると、強度が増すので「型紙として」ずっと使えます。セリアのパターンシート(型紙シート)も見かけました。
使ってみた感想・コツ
転写に向かない生地でもいける!
模様のある生地や、質感が転写に向かない生地(ごわごわしていたり)でも大丈夫なところは、大きなポイント!
初心者なので普通の白い布に刺繍できればいいんだけど…
最初はそれで全然OK!
私も、刺繍を始めたころはまずは刺繍しやすい生地からやってみようということで、シーチングなどのよくある生地でしか刺繍していなかったのですが、慣れてくるとウール生地など特殊な生地にチャレンジしたくなってきます。そうなると、転写というのが一つ難しいポイントなので、そういう時に型紙方式だと、実際に布に転写しなくてもいけるので、幅が広がるな〜と思う!(長くなってしまった…)
刺繍の転写方法④【一時期ハマってた】熱転写ペン
使い方
専用の熱転写ペンシルがクロバーから出ています。トレーシングペーパー(もしくは薄めのコピー用紙でも可)を図案の上に被せて、その上から熱転写ペンでなぞります。描き心地は柔らかめの色鉛筆といった感じ。写せたら、それを布の上に被せて(インクが布と接するように)上からアイロンをかけます。
使ってみた感想・コツ
大きな欠点!図案を反転させる必要がある…
描き心地は本当に普通の色鉛筆みたいなので、とても良いです。トレーシングペーパーもざらざらしているので、普通に絵を描くような感じで写せます。
ただし、大きな欠点として図案が反転してしまうのです…。左右対称の図案であれば問題ないのですが、そうでない場合、転写する段階で反転しておく必要があります。家に反転してコピー・プリントする環境があればいいのですが、そんな人ばかりではないかと。
コンビニのコピー機の機能でも、反転ができないものが多いと思うので、そういった場合、みなさんどこで反転しているのか?というのは気になっています…。
アイロンを用意するのが結構面倒…
また、アイロンを使って転写するのですが、いちいちアイロンを出すのが結構面倒だったりします。私がズボラなだけな気もしますが…。そんなデメリットがあり、一時期はよく使っていたのですが、他の転写方法を使うことが多くなりました。描き心地はとても気に入っていたのですが。
刺繍の転写方法⑤【用意するハードルは高いが…】トレース台+フリクションペン
使い方
イラストを転写する際に使うトレース台(ライトボックスとも言う?)を使う方法です。
私は以前、アナログでイラストを描いていたので、家にたまたまトレース台がありました。10年以上前に買ったものですが、普通にまだ使えます。
使ってみた感想・コツ
生地との相性が合えば◎
生地との相性が合えばとても綺麗に転写できます。生地との相性があえばというのは、色や厚み、素材によっては、上手く透けないことがあるからです。白系で薄い布であれば余裕なのですが、生地の中にネップがあったり、暗めの色だったりすると、かなり目を凝らさないと図案が透けないことが多々あります。
長時間の作業は目が疲れる
ライトを長時間見つめるので目が疲れます。大きな図案・複雑な図案のときは、何度かに分けて転写することが多いです。目は大事…。
トレース台を持っていない場合の代用は?
そもそも、トレース台を持っていない人のほうが多いですよね。トレース台を持っていない場合、晴れた日の窓を使うことで代用できる、という方法もあるのですが、実際やってみたところ、紙が大きいと結構やりにくかったです…。
インスタにアップした際、最近はダイソーでもトレース台見かけたよ、というコメントもらったので、今度試してみます。
フリクションペンについて
ここではフリクションペンを使っていますが、トレース台を使った転写の場合、フリクションペンではなくて普通のチャコペンなどでももちろん可能です。刺繍する図案にもよりけりですが、普通の鉛筆でもいいと思います。
フリクションペンはご存じの方も多いかと思いますが、熱を加えることで線が消えます。具体的にはドライヤーを使って消すことが多いです。消えたように見える線ですが、インク自体は残っており、寒い場所ではインクが復活することがあるそうです。
最近のトレース台って薄いんだね
今回この記事を書くにあたってトレース台調べてみたのですが、最近のはめっちゃ薄い!私のはもう10年以上前なので、箱型になっているのですが、最近のはタブレットぽい感じ…。場所を取らなくてよいね◎
刺繍の転写方法⑥【セリアで買える】転写シート(シールあり)
使い方
転写シートは、シールになっているものと、なっていないものがあります。まずは、シールありのタイプ。セリアで購入しました。A5サイズのシートが1枚入っています。図案を転写した後で、シールを剥がして布に貼り付けて、その上から刺繍を刺していきます。シートは水で溶けるので、刺繍し終わったら丁寧に洗ってシートを溶かします。
子供を産んでからセリアや3coinsによく行くようになり、手芸グッズの豊富さに驚いています。セリアでは他にも刺繍系の道具材料がありますね。
使ってみた感想・コツ
布が補強されて歪み防止にもなる
シートを貼ることで布が補強され、伸縮性のある布でも歪まずに刺繍ができます。特に糊がついているタイプは、歪み防止にとてもよいです。
糊がついているのでべたつく感じはマイナス点
糊がついているので、刺繍をする際、針がべたつく感覚がするのがちょっと気になるところ。また、糊がついているので水で洗い落とす際、かなり念入りに洗わないと、糊が残ってざらざらした感じになってしまうことが。
こちら、インスタでアップした際に
「ちょっと熱いお湯(4〜50℃くらい?)にオキシクリーンを少し入れて、10〜15分浸けてから押し洗いするとスッキリ落ちやすいですよ!そのあと柔軟剤に浸せばボアもふわふわに復活します✨」と教えてもらいました!(ありがたい~!)
次回使う時、ぜひ試してみたいと思います!
アウトラインだけシートを使う方法もあり
図案にもよりますが、チェーンステッチやサテンステッチで面をぎっちり埋めるようなステッチを使う場合、シートを洗い落とすのがちょっと大変になると思います。糸と糸が詰まっているので、間のシートを落としにくい。その場合、アウトラインだけ刺繍をしたら、その段階で水で落としてしまい、あとは普通に刺繍をするのが良いかと。生地的に刺しにくい場合は、裏面に接着芯をはりつけて補強すると、歪み防止にもなります!
刺繍の転写方法⑦【個人的おすすめ!】転写シート(シール無しタイプ)
使い方
一つ前のセリアの転写シートと似ているのですが、こちらはシールになっていないタイプです。ぺらっぺらの状態です。ぺらぺらなので、歪まないように気を付ける必要はありますが、転写しやすく、またシートを噛ませた状態でも刺繍しやすいです。普通の布に刺繍するのと同じ感覚でいけます。
愛用しているのはバイリーンから出ている「キルターズシークレット」1枚入りですが、結構大きくて75cm×100cmあります。
使い方を動画でサクッとみる
使ってみた感想・コツ
糊がついていないので普通の不織布みたい
一つ前の項目で紹介したセリアの転写シートの場合、糊がついているので刺繍を刺す際、針がベタつく感じがする・水で落とす際きちんと落とさないと糊が残ってざらざらした感じになってしまう、というのがありましたが、糊がないこちらのタイプは、本当に普通の布に刺す感覚で刺せます。
一瞬で水に溶ける。綺麗に溶ける。
また、水で落とすのも本当に一瞬!ちょっと水につけると、一瞬で溶けてくれます。一度、誤ってコップの水を少しこぼしてしまったことがあるのですが、そのところが穴空き状態になりました。刺繍が終わるまでは、水周りに気を付ける必要がありますね。
自分で固定する必要あり
デメリットとしては、糊がついていないので、転写した後に、何らかの方法で自分で布に固定する必要があります。大きなサイズであれば、端をマスキングテープでとめて、中をしつけ糸などで、ちょっと固定するだけでOKです。小さなサイズであれば、しつけ糸でざっくりでいいので、なみ縫いしていく必要があります。
歪みには注意しよう
伸縮性のある生地に刺繍する場合、この転写シートだと本当にぺらっぺらなので、普通に刺していくと糸と糸がいつのまにか詰まって歪んでしまう場合があります。
これは私も実際にやって失敗してしまったのですが、(例えばTシャツなど)次回やる際は、セリアのシールありタイプにするか、裏面を接着芯つけてから刺した方がよかったな〜と思いました。
しかし、これらのデメリットを差し引いても、メリットが大きいので個人的にはかなりおすすめです!使っているのはキルターズシークレットというものです。セリアの転写シートにくらべると、値段も高いのですがその分大きいので、コスパ的には良いです。
この項目だけやけに長いね
キルターズシークレットは個人的に革命的な商品だったので、つい熱が入ってしまいました。
転写方法7選:動画でさくっとみる
転写方法の選び方:作りたいものに合わせて選ぼう
転写のやり方、それぞれは理解できたよ。でも、それをどうやって選んだらいい?
下にまとめてみたよ!
作りたいもの・布にあわせて選ぼう
- シンプルな白い布(コットン等)に、普通に刺繍をする分にはどの転写方法でも問題ない。
- 暗い色の布、模様がある布の場合、使えない転写方法があるので注意しよう
- 凹凸があったり質感が特殊な布の場合、直接転写する方法は厳しいので、転写シートを活用しよう
- 伸縮性のある生地や、ぺらっぺらな生地、やわらかめの生地で刺繍をするのが難しい・歪みそうな場合は、裏面に接着芯をはりつけて対応しよう
まとめ:転写方法がわかると刺繍をするのが楽しくなるよ
今回の記事では、刺繍の図案を転写する方法を7つ解説しました。また、転写方法の選び方もまとめてみました。
刺繍は、ステッチすることが一番楽しいところですが、転写しないとそこにたどり着けないんですよね…。そして、いろんな方法があり、初心者さんにはハードルが高いところかなと。
最近は、下書きがされた状態で販売されているキットなどもありますが、自分で図案を写せると制作の幅が広がることは間違いなしです!
Instagamでシェア大歓迎!
当サイトで配布している図案を使って作品を作ってくれたら、ぜひInstagramで教えてください。
メンション@haitmonica、もしくはタグ「#ハイトモニカ図案」をつけてもらえると。
今後、たまってきたらどこかでみんなの作品も紹介したいなと考えています!ぜひ~!
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